●今日は無事、相可高校食物調理科の皆さんの前でお話しすることができました。
●話題内容は、「職人としてのものづくり」、「美味しいものとはどういうことか」、「益荒男ほうれん草にかける思い」この3つを生徒さんとの対話形式で進めていきました。
●基本をしっかり勉強した上で、わざと基本から少し外れてみるのも創造的な仕事をする上で大切という話しの流れの中で、ほうれん草の茹で時間について話し合いました。学校ではほうれん草の湯で時間は2分と習っているそうです。みんなでこの2分の意味を突き詰めて考えてみました。ほうれん草の灰汁を抜くのが目的ですから、灰汁が少なく栄養価が高いほうれん草の場合は、湯で時間が少なくてすむのではないかということを提案しました。早速、食物調理部の部長がみんなの前で実験しました。茹で時間を30秒、1分、2分と試してみんなに食べてもらいました。その結果一番美味しいのが1分という結果になりました。
●僕がここで伝えたかったのは、基本を理解したうえでそこから少し外れることの中に新しいものを創造するヒントがあるということ。そこに目の前に現れたのがヨトウムシ(たぶんハスモンヨトウの4齢幼虫)、僕は思わず、「美味しいほうれん草を食べているヨトウムシならきっと美味しいはず、もしかしたら身体にいい成分が含まれている可能性だってある」と言ってしまいました。そしてボイルしてほうれん草に包んで食べることに。。。見た目がグロテスクなヨトウムシの幼虫は茹でるとエビのように赤い色になりました。どんな味がするか不安でしたが、まったくほうれん草の味しかしませんでした。やっぱりヨトウムシの中身はほうれん草だったようです。今回の常識を逸脱した私の行動に、生徒さんたちの興奮度もクライマックスに。。。「なんてポジティブなんだ」との声も聞こえてきます。これで今回の講演(約2時間の話題提供でした)は成功です。生徒の皆さんには、僕のほうれん草にかける思いが伝わったようです。多くの生徒さんたちが料理人志望の相可高校食物調理科食物調理部。私の話題提供が将来の料理作りに少しでも役に立てたら幸いです。
●村林先生、食物調理部の皆さん今日はお相手していただきありがとうございました。