●はじめに・・・荒木誠(タカシ)さんは、舞鶴イチゴの代表的生産者。80歳になった昨年、イチゴの生産者としての活動に区切りをつけた。私は10年近くおつきあいいただいた中で、どんな品種でも、非常においしく作り上げる技術とその人柄に感銘を受けて、弟子入りを志願、何度も足を運んでいる。ここに、一時代を気づいた荒木さんに敬意を表して、「荒木流おいしいイチゴの作り方」を書き記すことにした。
●イチゴは、水を好む植物なので、育苗中にカラカラにしてしまったら大変、気をつける必要がある。土耕の場合は、高設栽培とは対照的に、水は最小限に与え、根が深く広く張るように心がける。土にもよるが、10日に1回ぐらいでも良い場合もある。揚水が多い場合は水が多すぎると考えて良い。土の水分は手で握ってみて崩れるくらいなら与えるようにする。固まるようなら水は与えなくて良い。収穫時の水管理は特に重要、収穫前の灌水は明らかに食味を落とす原因になる。土耕の場合、収穫の2日くらい前から灌水は行わないようすすると良い。但し、草勢の強い春先はこの限りではない、どんどん水をやって萎れさせないように管理すればよい。