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キャベツ黒すす病に関する一考察



 
●アルタナリア属菌によって引き起こされる病気キャベツ黒すす病。今年は、キャベツの苗に黒すす病が発生した。種子感染の疑いがかなり強い。
●耕種概要;今回は、寒玉系品種「YRしぶき2号」、サワー系品種「YR青春」、ボール系「アーリータイム」の3品種を播種した。アーリータイムは200穴セルトレイ、その他の品種は128穴セルトレイで育苗しました。播種日は、7月17日、7月20日、7月23日の3回に分けて行った。定植日は、8月5日、8月9日、8月10日。培地は150mg/Lの市販の培地に33%の籾殻を混合したため、今回の培地の窒素含有量は、100mg/L程度と推察される。播種後、ジョロ灌水、育苗後期からは底面給水により灌水したので、育苗後半は肥料切れの症状が見られた。育苗日数が20日程度にも関わらず、十分に根鉢が形成されており耕種的には、理想の栽培条件であった。このような条件では、肥料切れの症状が早いものでは10日過ぎ頃から認められた。
●黒すす病の病班は肥料切れの苗と窒素濃度が早く低下する下位葉から認められた。特に、200穴のアーリータイムでは早くから肥料切れと黒すす病の発生が認められ、移植に使えない苗もかなりあった。同じ培地とセルサイズの条件でも、YR青春はYRしぶき2号よりも病徴が現れにくかった。植物体内の窒素濃度が病徴発生と負の相関関係があると仮定すると、YR青春はYRしぶき2号よりも吸肥力が強いのかもしれない。
●病徴発生後の薬剤(ポリオキシンAL水溶剤)散布に、顕著な効果は認められなかった。ただし、育苗後半の低濃度液肥(ハイポネックス2000倍液)の底面給水により病徴の拡大は抑えられるような傾向が認められた。
●以上の結果とこれまでの経験を踏まえて今回のキャベツの育苗技術を総括すると、ジャグロンズ独自ブレンドの育苗培地では、128穴セルトレイを使用し、播種後10日目まではジョロ灌水し、その後頃、2日ほど真水で底面給水した後、底面給水溶液を2000倍程度の低濃度液肥に変えることで健全で、良質の苗を作ることが出来ると考えられる。

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2009年08月15日 20:49に投稿されたエントリーのページです。

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