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残念なこと

●昨日、能代市の園芸作物の生産現場を視察する機会を得た。長ネギ、チンゲンサイ、メロンなどの生産現場である。生産現場の方と話していて非常に残念で心が痛む現状に直面した。「値段が安いのでそれに会わせてものを作らなければならない」と言う現状である。●ネギやチンゲンサイなどは、キャベツレタスと同様、なくてはならない野菜である。一方、エダマメ、トウモロコシ、メロンなどの嗜好作物は特になくても困るものではない。●メロンは、アールス系の品種を親とする「秋田甘えんぼ」という品種が栽培されていた。この品種は、秋田県の農業試験場で育成された品種で、季節によっては静岡のアールスメロンよりおいしいとのこと。しかし、生産現場に導入しても、値段が付かなくて普及の足かせになっているとのこと。県の普及所の方が、値段が付かない理由として、次の2点を挙げられていた。@秋田県が後発産地であること、A雑メロンというカテゴリーにはいると言うこと。これを聞いて、私は非常に残念に思った。この二つのポイントは、流通業者の人のものの見方であって、実際に消費するお客様にはあまり関係ないのではと思うのである。実際の消費者のお客様は、@おいしくてA手頃な値段で高級メロンと同等の味が味わえるのならそれで十分満足していただけるのではないかと思う。●メロンは、手間がかかるうえ一株当たりの出荷個数が限られている。施設・資材費・労働費等をあわせて生産コストを試算すると、販売希望価格が明らかになるはずである。それを、流通業界の人との話し合いの中で実現できない場合、モノづくりに自信を持っている人は、もっと積極的に生産物を売り込もうともがいても良いような気がする。私もこれからは、もがけない農業者は生きていけない時代になるだろう。私も生産者の一人としてこれからももがいて行こうと思う。もがいた先には、きっと明るい時代が待っているはずだ。

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2009年09月29日 09:50に投稿されたエントリーのページです。

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