●最近ほうれん草の育苗に関して、何件かの生産者から問い合わせを頂き、論文を贈らせていただいた。しかし、かなり熱心な生産者さんでも、「10回は読まなければ理解できない」という。●どうやら、サイエンスの世界でお決まりのスタイルの文章(緒言、材料および方法、結果、考察、摘要)が、理解してもらえないらしい。●少し解説すると、◆緒言は、その論文を報告するに至った過程とそれに関連する既報の紹介などを記す部分で、その報告の新規性を明確にする部分でもある。◆材料および方法は、その研究に再現性を持たせるために重要な部分である。◆結果は文字通り、目の付け所を明確にしながらも試験結果を淡々と記す部分である。◆考察は、その論文でもっとも大切な部分で、著者の主張や考えがこの部分に現れている。◆そして摘要、これは、その論文の重要なものを抜き書きしたものである。◆もうひとつ、論文には冒頭に必ずサマリーというのがついている。これは本文の要約であり、時間がないときはこの部分を見ることで論文の内容のあらましを理解できるようになっている。●どうも「農」の分野におけるサイエンスと生産現場との間には、隔たりがあるようだ。「農」の生産現場に身を置きながら、サイエンスとの間に橋を架けることがジャグロンズ藤原隆広の役割のひとつであることを再認識した次第である。●先ほど、福岡のコマツナ生産者の徳安さんとお電話で軟弱野菜類の栽培方法について意見交換した。福岡では、春菊をはじめとしてフザリウム菌(Fusarium oxysporum)による被害(シュンギク萎凋病)が多く発生しているらしい。来月は、電動型半自動多条移植機「ちどりさん」のジャグロンズパッケージ「ジャグロンズ1号」の納品&説明で徳安さん(福岡市)を訪問する予定。安全で快適な農作業を実現する移植機「ジャグロンズ1号」の活用とジャグロンズが蓄えてきた育苗技術に関するノウハウを活用していただけたら幸いである。