☆100メートルの水糸78円。そんな水糸がホームセンターで売っている。
●78円の水糸は、すごい。
100メートルのビニルハウスを造るとき、100メートルの畝を作るとき、まっすぐに完成させることが出来るから。
●78円の水糸は、優れている。
どんな高価なひもよりも、風に強く、まっすぐな線を示してくれるから。
●でも、購入した状態の78円の水糸には、弱点がある。
もろい紙に巻いてあるため、そのまま使うとすぐに絡んで使い物にならなくなってしまうのだ。
☆そんな、水糸を、木製の手作りの糸巻きに巻き換えようとした直前に、事件は起こった。
●ひどく絡んでしまった78円の水糸、
安いんだから何でそんな時間をかけてほどくの?新しいのを買えばいいのに?と言われるけれども、それを時間をかけてひもとく。ひたすらひもとく。
●思えば粗末にしてきた78円の水糸、
また買えばいいやという心が、必要なときに使えない状態を招き、それ以上のコストをかけてきた。
●30分かかってきれいに巻き上げた78円の水糸、
絡んだ糸をひもといて巻き上げるのは大変だけれども、30分は大した時間ではない。
水糸を巻き上げるのが人生でこれが最後と決めてやったことだから。
☆40歳を過ぎて気づいた78円の水糸の価値。
●それは、購入時の価格では決まらない。
●それは、仕事で果たす役割の大きさで決まる。
☆分かった、そうなんだ。
●78円の水糸は、使う人の鏡。
複雑にも単純にもなるんだなあ。
●78円の水糸は、気づかせてくれた。
ものを大切にすることの本当の意味を。