☆第5回 研修生の質(その4)「専門知識」「仕事のキャリア」「年齢」
●G「専門知識」 これまで、いろんなバックボーンの研修生が、ジャグロンズの門をたたいた。農学部出身の研修生は勿論のこと、インターン希望で法律を学ぶ学生、総合政策学部で学ぶ学生、工学修士、宗教学士など、私自身彼らに接することで多くを考える機会を得た。しかし、門戸を広く開いて、農業研修を進めることで、生産者仲間を増やそうとするジャグロンズのスタイルは、成功しなかった。その原因は、ジャグロンズの研修システムの不完全性にある。この不完全なるもをを克服するために、現在なすべきことを順序をおって遂行している。一歩一歩ジャグロンズは理想に近づいている。
●H「仕事のキャリア」 なにか新しい形の農業を始めるのなら、それまでの仕事のキャリアは大いに役立つ、ただし、一般的な農業、人まねの農業をやるのならそんなものは何の役にも立たない。ジャグロンズでは、肩書きや資格で世の中を渡ってゆこうと考える人は、役に立たない。何を成し遂げたかが最も重要な評価基準となる。
●I「年齢」 研修するなら20代前後が望ましい。30歳以降になると、いろいろな面で研修生にとっても会社にとっても不利な事情が増えてくる。経営者としての経験がない人が、会社を作って農業を始めても、肩書きは経営者でも農業経営が解るまで何年もかかる。年齢が高くなるほど、体力や気力も衰えてくるので、諦めずに続けていくための代償や苦労は大きくなる。
●私事であるが、4年前、ジャグロンズ4人衆と称して、異色の農業生産ユニットで、活動したことがあった。私を含め4人全員が農業経営の素人。それでもテレビや雑誌の取材が今よりも多く、楽しい毎日だったが、それも2年足らずで解散、ロックバンドでは、音楽性の違いで解散する事があるそうだが、ジャグロンズ4人衆の場合は農業に対する考え(農業性)の違いによる解散であった。研修と称して、ただワイワイやっていても続かない。代表取締役としての私の会社運営に一番問題があったが、今こうしてジャグロンズを存続させているので、あれもいい経験になったと考えている。
●さて、この秋から、4人衆の1人であった倉光久男君が、新規就農者として津市内で独立する。彼とは以前は、研修者、従業員としての立場からのつきあいであった。親友でもある彼は、ジャグロンズで2年活動した後、大農家での4年間の下積み生活を経て今回の独立までにこぎ着けた。継続力が彼の強みであるが、よくここまで頑張ってきたと思う。これからは経営者の視点で農業に取り組まなければいけない。彼には是非とも頑張って満足できる農業人生を生きてもらいたい。